GSX-R1000のメンテナンス 〜ブレーキフルードの交換〜 戻る

GSX-R1000のメンテナンス 〜ブレーキフルードの交換〜

ブレーキフルードの交換時期

ブレーキフルードの交換時期は、乗り方によって大きく代わります。

街中を大人しく走っている場合なら、1,2年毎の交換を目安にするといいでしょう。 乗らなくても毎年交換できるのが理想かもしれませんが。

逆に、サーキット走行などのように、ブレーキにかなりの負担をかける場合は、 走行毎に交換しても良いかもしれません。 交換はしなくても、最低限エア抜きくらいはする必要があるでしょう。

街乗り〜サーキット走行の中間くらい、という場合は1年を目安に様子を見ながら交換するといいでしょう。

ただし、ブレーキフルードが偏食した場合は、即交換です。 ブレーキフルードは本来無色透明な液体ですが、 これが赤茶色っぽい色に変色してきたら即交換です。 サーキット走行など、ブレーキに激しい熱がかかるとすぐに劣化します。 放っておくと、ブレーキが効かなくなるなど、危険な状態に陥ります。

注意

ブレーキフルードは水を吸収しやすい性質があります。 水を吸収すると著しく性能が低下します。 決して水に触れないようにしましょう。 雨の日や、湿度の高い日の作業も避けましょう。

ブレーキパーツの洗浄も同様の理由から、水で洗ってはいけません。 洗うときはブレーキフルードで洗いましょう。

また、ブレーキフルードのリザーバータンクや、配管内にごみが入らないように気を付けましょう。 最悪の場合、ブレーキが効かなくなる怖れがあります。

ブレーキフルードが塗装に付着しないように気を付けましょう。 付着した場合はすぐに中性洗剤などで落としましょう。 ブレーキフルードは塗装を激しく傷めます。

必要な道具

まずは新しいブレーキフルードが必要ですね。 GSX-R1000ならDOT4以上のブレーキフルードの使用が推奨されています。 量は500mlもあれば足りると思います。

ただ、ブレーキパーツの洗浄や失敗したときの予備などを考えるならば、 もう少し必要でしょう。 ちなみに、ブレーキパーツを水で洗ってはいけません

DOT5は、毎走行後に交換するような、サーキット走行を楽しむ人向けと考えた方がいいでしょう。

細いゴムチューブは、後述するように、ブレーキフルードを排出する際に使用します。

GSX-R1000の場合、写真のような8mmのコンビネーションレンチが必要です。 ドレンボルトを緩めるとき、リアブレーキのリザーバータンクを取り外すときに使用します。 リザーバータンクの取り外しはスパナだとやりにくいので、 できればソケットレンチを用意した方がいいでしょう。

プラスドライバーはリザーバータンクの蓋を開けるのに使用します。

交換方法

リアの場合

リアブレーキ用のリザーバータンクは、下の写真の四角で囲ったものです。

ケースの外から見た感じでは変色しているのがわかりにくいですが、 空けてみればしっかりと変色していました。 3年分の汚れですね…。

交換する前に、現在タンク内に入っているフルードの量を確認しておきましょう。 新油を入れるときは、これと同じくらいの量を入れます。

蓋は螺で止められています。プラスドライバーで外すのですが、 タンクがここにくっついたままでは作業しにくいので、まずはタンクを外します。 8mmのボルトを緩めるだけです。

蓋を空けて、残っているフルードをスポイトなどで吸い出します。 濡れたスポイト、汚いスポイトは厳禁です。 でも、面倒なので私は吸い出しませんでした。 ごみが入らないように、必要のないときは蓋をしておきましょう。

続いて、排油の排出です。 ドレンボルトは、下の写真の赤丸のところです。

ここに8mmのレンチを差し込み、ゴムチューブを差し込みます。 ゴムチューブの反対側は排油受けに差し込みます。 ゴムチューブは省略してはいけません。 すると下の写真のようになります。 ゴムチューブの代わりに変なものが写っている、 なんてことは気にしないでください。 これはとても便利なエア抜き用ツールです。

そして、ドレンボルトを緩めて排油を排出します。 リアブレーキを操作、 つまりブレーキペダルを踏んだり放したりすると抜けます。

リザーバータンクから新油を注入します。 そしてエア抜き(後述)をして完了です。

フロントの場合

下の写真の赤い四角で囲ったところが、フロントのリザーバータンクです。 赤茶色に変色しているのがわかりますよね? 明らかに交換時期を過ぎています。

タンクの横に付いている金具を、プラスドライバーで緩めて外します。 そしてキャップを捻るとタンクが開きます。

フロントブレーキの、ドレンボルトは左右に二箇所あります。 二箇所からそれぞれ排油を抜き取って、二箇所それぞれにエア抜きをする必要があります。 ドレンボルトは、下の写真の赤丸で囲ったものです。

リアブレーキのときと同じように、排油を排出して、 リザーバータンクから新油を注入し、 エア抜きをします。

エア抜き

エア抜きとは、ブレーキ配管内に入り込んだ空気を排出する作業の事です。 空気が入っていると、ブレーキが効かなくなる恐れがあり非常に危険です。 念入りにしっかりとエア抜きを行いましょう。 ブレーキフルード交換で一番重要な作業です。

フロントもリアもやり方は同じなので、ここではフロントを例に説明します。 ドレンボルトを緩めながらブレーキを操作する必要があるため、 一人では難しいかもしれません。 後述する、エア抜きツールを持っていれば別ですが。

  1. リザーバータンクに十分なブレーキフルードを入れます。
  2. ブレーキレバーを強く握って放すを数回繰り返します(リアであればブレーキペダルを踏んだり放したりします)。
  3. ぎゅっとブレーキレバーを握りつづけたまま、 ドレンボルトを少し緩めます。
  4. すると、ブレーキフルードとともに、エアが少しずつ排出されます。 ドレンボルトに接続したゴムチューブ内に排出したフルードが溜るように工夫します。 そうすると、気泡が出てくる様子が確認しやすいです。 排出される勢いが弱る前に、ドレンボルトを閉めます。
  5. 1.に戻ってエアが出なくなるまで作業を繰り返します。 リザーバータンクのフルード残料が減り、エアが配管に侵入してしまったら、 エア抜きのやりなおしです
  6. エアが出なくなったら、リザーバータンクに交換前と同じ量のフルードを注入して完了です。

私は面倒なので、エア抜きと、排油の排出と、新油の注入を同時にやってしまいます。 ドレンボルトを緩めてエア抜きの要領で排油を少し排出し、 リザーバータンクのオイルが減ってきたら注入、 そして排出、注入の繰り返し。 排出されるオイルがきれいになってきたら完了。 本当は、一度全部排油を排出してから、新油を注入するべきなんですけどね。

ちなみに、エア抜きツールは便利です。 ブレーキを操作しなくてもエアと一緒に排油を吸い出してくれるので。 けれど、完全にエアが抜けきったかどうかが目指で確認できないのが欠点ですが。 ハンドポンプ式のものと、エアコンプレッサーにつないで使用するものがあります。 ハンドポンプ式は手が疲れます。 エアコンプレッサー式は、もちろんエアコンプレッサーが必要ですが、 楽です。

完了

交換後の写真が下の二枚です。 濁っていたリザーバータンクが透明になったと思いませんか? 比べてみれば一目瞭然です。

濡れているのは洗ったからです。 ブレーキフルードを付着させてしまったので…。 付着させた覚えがなくても、 念のために中性洗剤などを使ってしっかりと洗車しておくといいでしょう。


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